top of page

ネイティブ信仰の弊害

■「英会話」を学ぶのは上級者になってから

「英語で日常会話くらいは出来るようになりたい!」と思って、すぐに思い浮かぶのが英会話学校……
しかし、そもそも英語で日常会話ができるレベルというのは、かなりの上級者です。

​

私たちの日常会話は、さまざまな言い回し・表現であふれています。例えば、町で井戸端会議をしているご婦人たちが交わしている会話を考えてみれば明らかでしょう。文法や決まり文句だけでは説明しきれない言い回しや表現が頻出します。そして、内容はといえば、自分の意見を言ったり、人を褒めたり、時には批判したり(笑)……とさまざまでしょう。


それが「日常会話」なのです。

​

多くの人は、それが英語でもできる!という大きな幻想を抱いて英会話学校に散財してしまうのです。
しかし、現実はそう簡単ではありません。多くの場合、「ありがとう」「おはよう」「いただきます」など、特定の場面でのステレオタイプな決まり文句のストックが増えるだけ。それで「日常会話はOK!」と言えるのでしょうか?

​

あらかじめ暗記した文章しか話せない……日常会話はそんなに簡単なものではありません。 人と議論したり、自分の意見を自在に表現するには、相当の英語力が必要なのです。

■ ネイティヴならだれでもOK?

多くの日本人は、そんな難易度の高い「英会話」の習得に必死です。
そして、「教わるならネイティヴから」という刷り込みが、日本人の英語運用能力が一向に上がらない原因の1つでもあるのです。

​

皆さんは外国人に日本語を教えることができますか?もちろん、「ありがとう」や「こんにちは」など、特定の場面でのお決まりのフレーズは教えられるでしょう。しかし、どんな場面でも自在に扱える日本語力をつけさせてやる自信はありますか?それには、まずはきちんとした文法や構文などから叩き込んでいく必要があります。ということは、日本語を教えるための専門的な教育を受けていない普通の日本人には、やはり教えることは難しいと言えるでしょう。

​

そして、それをそのまま日本の英会話スクールで教える外国人に当てはめてください。さまざまな目的で来日して、ただネイティヴというだけで英語を教えている”教師”と呼ばれる人たちに、それができるでしょうか?

■ 日本人こそ日本人から学べ!

「中身はどうあれ、ネイティヴと堂々と会話できる度胸だけでも身につけたい!」というのならいいでしょう。しかし、それでは本当の意味での会話力は一生身につかないままです。

​

やはり日本人は、同じ言語的発想を持つ日本人から、日本語と英語の発想方式の違いなども含めた視点から教わるのがベストです。同じ日本人なら、日本人にとってどこが分かりにくいのか?という弱点を熟知しています。

■ 「会話に文法なんていらない」はウソ

それぞれの言語にはルールがあります。それが「文法」と呼ばれるものです。最低限の文法も知らない状態で話すことを”ブロークン”といいます。
長い間海外に住んでいながら、いつまでたってもブロークンな人がいます。それは最低限の文法を学ぶ姿勢がないから。
最悪なのが、基礎力を無視する”逃げ口上”としてよく言われる「会話に文法は必要なし」というもの。

​

以下をご覧ください。

​

I recommend that she gets started right away.

​

「わたしは彼女にすぐに始めるように勧める」といいたいのですが、文法上の誤りが1か所あります。 この誤りがすぐに発見できる方は、基礎力ありと考えて差し支えないでしょう。

​

正解は、×gets → ○get です。

​

「えっ?sheの後だからgetsじゃないの?」と思う方は、もう少し勉強が必要です。
これは、recommend, suggest, insisit, demand, request, orderなどの”強い意思を表す動詞”のあとのthat節内の動詞は原形になるという文法ルールがあるからです。主語がsheだからといって「三人称単数現在」の"s"をつけてはいけないのです。
(そうなる理由には、助動詞shouldや仮定法現在の用法が関わってくるのですが、詳細は実際の授業でご説明します)

​

実際に、この文法事項はTOEICでもよく狙われる頻出問題なのですが、英語の運用能力を測る試験であるTOEICで、この種の理解を問うということは……
それ以上は言わずもがなですね。

​

上記のルールを文法的側面を交えて論理的に説明できるネイティブは、専門的な勉強をした人に限られるでしょう。 普通のネイティブは、それを無意識的な”ルール”として使いこなしているに過ぎません。したがって、彼らが外国人に対して論理的に説明するのは難しいでしょう。
しかし、彼らはそれを自在に使える”無意識のルール”として身につけているのです。そこを忘れてはいけません。
もちろん私たちも、英語運用能力と直接関係のない文法用語を覚える必要はありません。しかし、体の中にそのような”ルール”が染み込んでいない私たちは、「文法」という形で覚えるしかないのです。
つまり、ある言語を身につけたければ、最低限の文法は覚えておいて損はありません。いえ、覚えるべきです。

© 2023 Wix.comで作成されたホームページです。

bottom of page